
2025年度データサイエンス短期インターンシップ(株式会社帝国データバンク)に参加した郡山直輝(工学部・情報工学コース)さんにお答えいただきました!
帝国データバンクは企業の将来性などの調査を行っている会社で、実践的な視野を持つデータサイエンティストの育成を目的として千葉大学と連携協定を結んでいます。その一環として、千葉大学の数理・データサイエンス教育プログラムを履修中の3年生を対象とする短期インターンシップを夏休みに実施しています。
どのようにインターンの情報を見つけましたか?(学内紹介/応募サイトなど)
最初に帝国データバンク(以下、TDB)のインターンを知ったのは、昨年度の「社会におけるデータサイエンス」の授業で、会社の方が来られた際に告知があったからです。その時私は2年生で参加できなかったのですが、今年度も募集していることを就職支援課からのメールで知りました。
数あるインターンの中で、この企業を選んだ理由は?(どのような体験ができると思って選びましたか?などの理由)
このインターンシップを選んだ理由は、実際に企業が扱っているデータを使って分析を行ったり、他の参加者と協力して進めるグループワークを行うことに魅力を感じたからです。これまで授業で扱ってきたデータは、すでに加工されていたり、項目が少ないことが多かったので、より実践に近いデータに触れられるのは貴重な体験になると思いました。また、データサイエンス分野でのグループワークは初めてなので、実際の業務に近い形で取り組めることにも興味を持ちました。
インターンではどのような業務を担当しましたか?
インターンシップでは、『企業データを活用した経営課題解決策提案および調査体感ワークの実施』を行いました。
具体的には、
・グループワーク1:企業データの中から特定の条件を満たす企業を抽出する
・グループワーク2:自治体における課題解決方法を考える
・TDBの調査業務体験
を行いました。グループワークは、最終日に成果物とその過程の発表を行いました。
困難だったこと、楽しかったことは?
グループワーク1の課題では、抽出すべき企業の条件が抽象的なので、それをどうデータの操作として落とし込むかが大変でした。
例えば、『ある社長から、企業を売却したいので買ってくれそうな企業をリストとしてほしい』という依頼だったら、どのような企業が買ってくれるかを考える必要があります。お金を持っている企業・活動地域が同じ企業・事業拡大を計画している企業など、様々な切り口から考えて、どれが一番良いかを議論しました。なかなかいい意見が出なかったり、グループで方針が合わなかったりして困難がありましたが、その議論が楽しい面でもありました。
インターンを通じて自分のどんな力が伸びたと思いますか?
プログラムを用いて共同作業する能力が伸びたと思います。他の人と自分が書いたプログラムやデータ操作を共有することが今までなかったので、どうコーディングしたら読み手にわかりやすいかや、コメントに何を残そうかなどを工夫できるようになりました。
大学での学び(講義、特に副専攻の指定科目など)は活かされましたか?
インターンシップで生かされた講義は、データサイエンスB、データクレンジング入門・実践です。 インターンシップでは主に、PYTHONのPANDASとNUMPYを使いました。一応、インターンシップの初日にはデータクレンジングに必要なPYTHONのコーディング方法の講習会があります。しかし、講習会は進みが早く内容も絞られているので、データサイエンスBの受講して参加することをお勧めします。
また、データ操作を行うので、データクレンジング入門・実践で学んだことが活きました。私が受講したときはEXCELを用いたものでしたが、データ操作を行う際の基本的な考え方を学べたので、より洗練されたコーディングができるようになりました。
社員の方々や企業の雰囲気はどうでしたか?
お会いできた社員の方々は明るい方が多かったです。転属がしやすいのか、自分の仕事に対して満足している感じがしました
働く環境(立地、オフィス、リモートの有無など)について感じたことは?
アクセスが良く、駅の周りも栄えていてお昼ご飯に様々な場所に食べに行けてとても良い立地でした。スカイツリーが見えました。本社オフィスはTDBのみが入っていると思われ、とてもきれいで大きかったです。
今後、データサイエンス系の仕事に関わりたいと思いますか?
はい。今までデータサイエンス系の仕事に対してあまり解像度が高くなかったので迷っていました。今回のインターンシップを通じて、抽象的なものを具体的なものに落とし込んでいく作業を楽しく感じることが分かったので、データサイエンス系の仕事に関りたいと思うようになりました。
就職活動や自己PRに役立ちそうだと思ったことは?
インターンシップを通して、自分の強みや弱みを具体的に知ることができたことが、自己理解に活かせると感じました。
グループワークでは、協力して作業を進める場面で自分がどのように動くタイプなのかを実感でき、調査業務では、どんな点に注目して物事を考えているのかといった「思考の癖」に気づくことができました。また、一週間通して参加したことで、実際に働くときの生活リズムや通勤時間の感覚もつかめ、自分にとって無理のない環境について考えるきっかけにもなりました。
「やってよかった!」と感じたことを教えてください?
初めて会う人たちと一つの目標に向かって取り組むのは緊張もありましたが、みんなで知恵を出し合いながら形にしていく時間がとても楽しかったです。最後に発表を終えたときの達成感は本当に大きくて、参加してよかったと思いました。
どんな学生にこのようなインターンをおすすめしたいですか?
もちろんデータサイエンスに興味がある方にお勧めしますが、共同的なプロジェクトをしたことがない人にもお勧めします。
調査業務体験ではデータの収集する体験ができるため、欠損値やノイズが発生する理由を経験することができます。この経験はデータの前処理を行う際にどのような対応をするかを考えるうえで大切になってくると思います。
数日かけてグループワークを行う機会は貴重だと思います。ぜひ挑戦してみてください。