Dsb2023coll-denshi
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fX(x) =     exp [- ] (x-μ )2 2σ2 √2πσ2図1.11:一様乱数を 0 ≤ x < 1 の範囲で生成して、その確率分布をヒストグラムで表示したもの。左から順に乱数の数を1,000個、10,000個、100,000個と増やしている。図1.12: 正規分布の確率密度関数。平均μ= 0、標準偏差 σ= 3の場合。たとえば、0 ≤ x < 1の範囲の一様分布の場合、 fX(x) = 一定より、 fX(x) =1です。計算機を用いるとこのような分布を持つランダムな数を生成することができます。これを一様乱数と呼びます。図1.11にこのような乱数を 1,000個、10,000個、100,000個発生させた場合の確率分布を示します。発生させる乱数の個数が増えるにつれ一定値に近づいていることがわかります。平均がμ、分散がσ2の正規分布は次式で与えられます。図1.12に μ= 0、σ= 3の場合の正規分布の確率密度関数を示します。 正規分布は様々な自然現象や社会現象にあらわれます。例えば、熱平衡状態にある気体分子の速度分布や測定値の誤差などが、この分布にしたがいます。111∫ fX(x)dx =1確率密度関数確率変数 X の値 x が連続な値を取る場合についても確率分布を考えることができます。確率変数の値がxと x+Δx という微小な区間にある確率が fX(x)Δx のとき、この関数 fX (x)を確率密度関数と呼びます。この関数を確率変数が取り得る全ての値について積分すると1になります。積分記号を用いて書くと次式になります。正規分布多数のコインを投げるとき、表が出たコインの個数は図1.12に示したような釣鐘型の分布になります。コインの個数 n が大きいとき、この分布は正規分布と呼ばれる分布に近づくことが知られています。多数のサイコロを振ったときに出た目の数の合計も正規分布に近づきます。一般に平均 μ、分散σ2の確率分布にしたがう試行を n 回行うとき、 n を大きくすると確率変数の値の合計は平均 nμ、分散 nσ2 の正規分布に近づくことが知られています。これを中心極限定理と呼びます(証明は省略)。

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